なぜSWAMPは下げ止まらない?イールドアグリゲーターを研究する。

イケハヤです。

マニアックな話をまとめます。ラボ用にしようと思ったのですが、関心ある人は多いかもなので表でやりますね。

「イールドアグリゲーター」って?

DeFiにおける欠かせないパーツのひとつとなりつつあるのが、「イールドアグリゲーター」という領域です。イールドオプティマイザーとも言われますね。

具体的には、以下の銘柄が該当します。

  • $FARM(Harvest Finance)
  • $BUNNY(PancakeBunny)
  • $AUTO(AutoFarm)
  • $BIFI(Beefy Finance)
  • $SWAMP(Swamp Finance)
  • $GROW(Growing.fi)
  • $MERL(Merlin)

全部知っているあなたは……イケハヤ仮想通貨ラボにぜひw

凄まじくざっくりいえば、これらは「自動複利(Auto-Compounding)サービス」です。

DeFiファーミングにおいて最大の利益を得るためには、細かく収穫して複利運用する必要があります。

が、毎日サービスにアクセスして、ポチポチと収穫してトレードしてLPにしてステーキングする……のは面倒なんですよね。ガス代もかかりますし。

イールドアグリゲーター(オプティマイザー)を使えば、こうした作業なしで、自動的に複利運用をしてくれ、より大きな利回りを得ることが可能になります。

で。

ここまでで終わりではなく、イールドアグリゲーターを利用すると、各サービスの独自トークンがもらえます。

たとえばGROWにCAKEを預けると、CAKEを自動で増やしてくれる上に、GROWというトークンがめっちゃもらえます。利用リスクを織り込めるなら、こっち使うと利回りは数倍になります。

アグリゲーターのトークンは非常に旨味がありまして、かな〜〜〜り儲かります。バブルですから……。このプラスの利益を目的に利用している人が大半でしょうね。

ビジネス構造はけっこう違う。

このイールドアグリゲーター、よく見ると手数料構造はけっこう違ったりします。

まずはAUTO、BIFI、SWAMPが採用するモデル。

これらは、「自動運用によって増えたトークンの4%程度」を利益として徴収し、それぞれのやり方で分配をしています。

SWAMPはこんな感じです。

  • デポジットフィー:0.1%
  • 自社トークン買い(Buyback):2.0%
  • ネットワークフィー(ガス代):0.2%
  • 運営に回る運用報酬:1.8%

「100億円の資金を預かり、10億円を増やした」場合は

  • デポジットフィー:1000万円
  • 自社トークン買い(Buyback):2億円
  • ネットワークフィー(ガス代):2000万円
  • 運営に回る運用報酬:1.8億円

となりますね。

一方で、BUNNY、GROW、Merlinは微妙にモデルが違います。

BUNNYはこんな感じです。

  • デポジットフィー:0.5%(ただし3日を過ぎたら無料)
  • パフォーマンスフィー:30%

BUNNYなどは、運用によって増えたお金のうち、なんと30%を徴収します

「え?高くない?」と思いますよね。ここにカラクリがあります。

この30%の報酬は、BUNNY、GROW、MERLなどをステーキングしているユーザーに「BNB」で分配される仕組みになっています。

BNBで分配されるのがミソですね。このBNBは虚空から生まれたわけではなく、自動複利によって増えたトークンの30%が売却され、ステーキング報酬となっています。

「それじゃステーキングしてる人だけが儲かる仕組みじゃね?」と思いますよね。

違うんです。

これもうまくできていて、自動複利ユーザーは高い手数料を払う代わりに、それ以上の価値を持つ独自トークンが付与される仕組みになっています。

BUNNYの場合は、手数料収入を1BNB(600ドル)奉納すると、5枚のBUNNYがもらえます。

BUNNYは1枚250ドルくらいなので、1250ドル分となり、奉納した手数料よりもだいぶ多い金額が付与されることになります。

で、このときに得られるBUNNYをステーキングすることで、自分たちが払っている手数料を回収することができるわけです。

このメカニズムは、うまくワークすると好循環が発生します。BUNNYはこの流れをうまく作って、最大のプラットフォームになっていますね。

  1. BUNNYをファーミングしたいユーザーがサービスを利用
  2. TVLが増加
  3. 手数料収入も増加
  4. BUNNYをステーキングすると、手数料収入がうまうま
  5. BUNNYを買う投資家も出てくる
  6. BUNNY価格上昇
  7. ファーミングの魅力も高まり、TVLが上昇
  8. ②以降のループ

これに気づいたときは、非常によくできたビジネスモデルだな、と感動しました。錬金術といえば錬金術w

現時点で、BUNNYには4500億円以上の資金がデポジットされており、90億円以上の収益がBUNNYのステーキング報酬として還元されています。

SWAMPではなく、GROWに投資する理由。

イールドアグリゲーター系は、このBUNNYのモデルがもっとも合理的に見えます。

SWAMPの価格がかなり下がってるので投資したいと思ったんですが……こっちはビジネスモデル的に微妙なんですよね。

なぜ微妙かというと……$SWAMPの使い道が、「売る」以外にないんですw

もちろんSWAMP単体でファーミングはできるんですが、これ、SWAMPでSWAMPが増えるだけなんですよね……。

BUNNYやGROWは、高い手数料を徴収し、それをステーキング報酬に回してます。

独自トークンは「ステーキング報酬を得る」という用途があるため、売り圧も弱く、購入する投資家すら出てきます。

一方でSWAMPには、「SWAMPでSWAMPがもらえる」以上のユースケースがありません。

トークン価格が下落している局面においては、これは魅力になりにくく、売りが加速する傾向があります(まさにいま)。

市場に供給される枚数は機械的に増え続けており、それもまた売り圧になります。

個人的にはGROWに注目しており、ここ、めっちゃステーキング利回りがいいんですよね。日利0.92%でBNBがもらえちゃいます。

この銘柄はトークン供給が非常に少ないため、この旨味はしばらく続く予感がします。

ステーキング目当てでGROWを購入する、あるいはファーミングで獲得する人が増えていけば、GROW価格とTVL(=手数料)が増加し、さらにプラットフォームとして魅力が高まっていきます。

GROWは今日のアナウンスで、CertikのAuditが進んでいること、Polygonへの対応も表明しています

ダッシュボードツールとしても使いやすいので、ここは伸びてほしいですね。

なお、ポジショントークですw GROWを1枚買ってステーキングすると、ダッシュボードツールの機能がフル解放&ファーミングの利回りが改善されます。

これはかなりマニアックな比較ですが、MERLは同様の仕組みですが、APRはGROWにだいぶ劣ります(GROW:335%, MERL:142%)。

このAPRだとステーキングに回すインセンティブとしては弱い可能性があり、ファーミングされたMERLは売られやすくなる予感がします。

利用リスクは?

ファーミングのみで利用するなら、イールドアグリゲーターは利用しないのは損です。利回りは格段によくなるんで。

とはいえ!もちろん利用にはリスクがあります。

ここらへんはDYORですが、過去の事件をいくつかまとめておきます。

預けたお金がすべてなくなる可能性もあるんで、そのリスクを承知で利用しましょう。まぁ、これはDeFiサービスのほとんどに言えることではありますが……。

ぼく自身はCAKEを使って、イールドアグリゲーターを渡り歩いてます。CAKEはほんと最強の農具ですね。

イールドアグリゲーターなどのマニアックな話は、イケハヤ仮想通貨ラボでやっておりますんで、こういう話がしたい方はぜひどぞ。

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引用元: まだ仮想通貨持ってないの?

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