イーサリアムParity コンスタンティノープルテスト段階へ移行 年末実装か?

イーサリアムクライアントのParityが、コンスタンティノープルの実装EIPの4つ目となるEIP-1283とEIP-1234をいち早く実装し、テストへと移行しました。本稿では、コンスタンティノープルの開発状況とEIP-1234が決定してからのマイナーの動向について解説を行います。

 

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1.コンスタンティノープルのテストへ移行

イーサリアムクライアントの一つで、Gethの次に人気の高いParityはDirtyMapを導入してSSTOREオペコードのガス消費を変更するというコンセプトのEIP-1083の代替え案となるEIP-1283の実装。コンスタンティノープルのテストへと移行となりました。

 

出典:https://github.com/paritytech/parity-ethereum/pull/9505

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1-1.コンスタンティノープルはいつ実装なのか?

イーサリアムのハードフォークはビットコイン同様に、特定ブロック高でのフォークを行います。7月の段階では、10月30日~11月2日に行われるデベロッパーカンファレンス、通称DEVCON4の前に実装する場合、十分なテストが行えないため実装するEIPはEIP-145, 1014, 1052のみとのことでした。

ですが、今回はSSTOREの仕様を大幅に変更するEIP-1283の実装やEIP-1234での報酬減少なども加わったことから、DEVCON4の準備などを考慮すると11月末から12月になると考えられます。

 

1-2.ディフィカルティボムの影響とハードフォーク

現在のイーサリアムのブロック生成時間は平均14.5秒となっています。つまりディフィカルティボムの影響を受けていないということになります。EIP-1234は既に実装が決まっているため、マイナーは現状のETH価格とハッシュレートのままコンスタンティノープルを実装してしまうと原時点から34%の報酬を失うため、コンセンサスを得られない可能性があります。

下記チャートを見るとわかるように、EIP-649実装時にネットワークの分裂の可能性が最も高かったため、ブロック生成時間の2倍となる30秒までビザンチウム実装を待ちました。この時、ハッシュレートは変わらずにブロック生成時間が2倍となるため、マイニング報酬は半額となっていたことになります。

もしEIP-1234の実装に30秒まで待つとすれば、ハッシュレートはうまく調整されることになりますが、企業や電気代の安い地域とASICに集中するので、今回はディフィカルティボムの影響を十分確認してのフォークはないと考えられます。

出典:https://etherscan.io/chart/blocktime

 

EIP-1234については下記を参照してください。

イーサリアムのマイニング報酬を2ETHに減少するEIP-1234と開発の今後

 

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2.EIP-1234に向けたマイナーの動向とセキュリティ

9月に入り、約34%130ドルの下落を記録したイーサリアムは、EIP-1234の決定とともにコンスタンティノープルのハードフォーク後に価格が回復できない場合、マイナーはさらにマイナス収益が増えることから、一部の電気代の高い地域のマイナーが撤退を開始したと見られます。

 

このハッシュレートの減少は現在40TH/sの減少を見せており、イーサリアムクラシックのネットワーク全体のハッシュレートである17TH/sの約2.4倍のハッシュレートの減少を見せているということになります。そのため現在は約13%のマイニング報酬が上昇しており、ハッシュレートの減少が今後も持続すると見られます。

 

ではこのハッシュレート減少が、セキュリティ面においてコンスタンティノープル実装後に問題となるでしょうか?

これは過去のハッシュレートの上昇チャートを確認するとわかります。

現在の価格は170ドルで、この水準は2017年5月の価格水準と同等となっています。この時イーサリアムのハッシュレートはわずか3TH/s前後であり、現在は255TH/sであるため、85倍のハッシュレートであることがわかります。

つまりコンスタンティノープル実装後にマイナーが分散や撤退をしたとしてもセキュリティ上攻撃のためのコストは高いということになります。

 

出典:https://etherscan.io/chart/hashrate

 

3.結論と考察

イーサリアムはコンスタンティノープルからEIP-1234を実装することで、イーサリアムのPoS、Casperへの移行アプローチを明確に示しました。つまり今後の開発でのイーサリアムのインフラモデルは変更され、ビットコイン以上の早さでデフレーションモデルへと移行することになります。これにより、Casper移行時のセキュリティ懸念は誠実なマイニングノードにより構成される可能性が上がっていくといえるでしょう。

 

▼コンスタンティノープルの実装とETH価格やネットワークへの今後の影響の詳しい分析は下記サロン記事にて解説しています。

https://bokujyuumai-salon.ethereum-japan.net/archives/1327

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引用元: イーサリアム・ジャパン

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