ビットコイン・キャッシュ(BCH):テクニカル的な転換点が示唆される中、「ビットコイン伝道師」の重大発表に疑問

BCHは他銘柄パフォーマンスを凌ぐ:相場はトレンド突入に向けスタンバイか

ビットコイン・キャッシュ(BCH)の対ドル相場が他の主要銘柄と比較して高パフォーマンスを記録している。直近一週間でのBTC、ETH、XRPの変化率がそれぞれ3.34%、4.18%、2.06%なのに対し、BCHは対ドルで24.58%高となっている。

また、BCHの対ドル相場は16日に160.69ドルの高値を記録し先月24日の高値(157.65ドル)を基準とするレジスタンスを上抜けすると、2日後の18日には166.67ドルの高値を付けた(第1図)。

【第1図:BCH対ドルチャート①】

出所:coinmarketcapより作成

7日、30日、90日移動平均線が先週まで収斂していたが、足元相場の上昇と共に拡散してきており、テクニカル的にはトレンドが始まるシグナルとなり得る。また、30日移動平均線の90日移動平均線上抜けも視野に入っており、実に9ヶ月ぶりにゴールデンクロス示現となるか注目される(第2図)。

加えて注目したいのがここ数ヶ月間のチャートのパターンだ。相場は昨年12月末から緩やかな下落、今年1月から2月にかけて横ばい、そして足元では緩やかな上昇と、弧を描くように推移しており、リバーサルパターンであるソーサーボトムを形成していることが指摘される(第3図)。

ソーサーボトムのパターンは終盤にかけて緩やかに相場が上昇していくため、パターンからのブレイクアウトを見逃し易い。相場は足元1月9日高値(162.54ドル)水準周辺で上値を抑えられているようだが、同水準の上抜けに成功すれば、ソーサーボトムである可能性が一層高くなるだろう。相場がプラットフォーム(12月21日高値:229.01ドル)の上抜けに成功すればパターン完成となる。

【第2図:BCH対ドルチャート②(日足長期チャート)】

出所:coinmarketcapより作成

【第3図:BCH対ドルチャート③】

出所:coinmarketcapより作成

「ビットコイン伝道師」からの重大発表

テクニカル的な側面以外でも、BCHに関する気になる動きがあった。

17日にBitcoin.comが公開した動画では、同社CEOで「ビットコイン伝道師」の異名をもつRoger Ver氏が「重大発表」を行った。

Ver氏によると、Bitcoin.comはBCHでの取引や商品の売買を可能にする新プラットフォームのローンチを近日中に予定しているとのことだ。公式発表ではないためその詳細の多くは依然ベールに包まれたままだが、新プラットフォームでは全てのトランザクションをパーミッションレスで行う、「Self-Custodial Escrow」ソリューションを提供する模様だ。

Self-Custodial Escrowの下では、ユーザーは仲介者のシグネチャー無しにトランザクションを行うことができるという。更に、サービスの提供者であるBitcoin.comはトランザクションの内容を見ることや、ユーザー資産のカストディーを行うこともない上、ユーザーはAMLやKYCの工程を踏む必要すらないとVer氏は動画で豪語した。つまり、ユーザーは同プラットフォームを利用することでより高い経済的自由権を手にすることができるというのだ。

「経済的自由権」というキーワードは、暗号資産誕生の切っ掛けの一つともいえ、一部のユーザー層からは強い支持を得るだろう。しかし、世界的にも暗号資産市場をAML、CFT、KYCの観点から規制する動きが強まる中、誰もが無差別に参加できる暗号資産のプラットフォームをローンチすることが可能なのか疑問が残る。米国では、暗号資産のDEX(分散型取引所)でさえ運営会社が存在する時点で規制の対象になる可能性がある。また、こうした国際的な風潮を押し切る形でのローンチとなれば、Bitcoin.comおよびBCHのレピュテーションリスクともなり得るだろう。

公式発表は「近日中」とのことだが、その詳細に注目が集まる。


免責: BTCNは仮想通貨・ブロックチェーン情報の提供を目的としており、投資の勧誘を行うものではありません。また、BTCNおよびビットバンク株式会社はBTCNで発信する情報の内容について、一切の保証や責務を負わないものとします。投資の判断や意思決定に関しては、BTCNの各利用者ご自身の責任において行って下さい。
情報開示: BTCNは、仮想通貨取引所「bitbank」を運営するビットバンク株式会社が運営しています。
引用元: ビットコインニュース

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。