BTC対ドル相場は上昇トレンド突入に向け「準備期間」に入るか

主要銘柄週次当落率

BTCの対ドル相場は10日、3日高値(5307ドル)を起点とするレジスタンスを一時上抜けたが、相場は同水準を維持できず、今回のブレイクアウトは強気のワナ となった。翌11日からはレジスタンス上抜け失敗による失望感からリスクオフが加速、12日には節目となる5000ドルを一時割り込んだ。一方、相場は足元5100ドル台まで戻しており、一旦は売り一巡となっている模様だ。

先週は全体的にリスクオフが優勢となり、ステーブルコインを除く主要10銘柄は上値の重い展開となり、LTCとXLMに至っては、週次で10%を超える下落率を記録した(第1図)。

EOSは先週、米Coinbaseのプロ向けプラットホームでの取り扱いが開始され、所謂「Coinbase効果」の恩恵を多少は受けたようだが、市場全体のムードに影響され週次では小幅高に終わった。BNBの対ドル相場は先週、調整を終え反発したが、上昇の速度には減速感が確認される。

【第1図:主要暗号資産銘柄週次騰落率(4月8日〜14日)】

出所:coinamrketcapより作成

30日線の200日線上抜けでBTCは長期上昇トレンド開始となるか

BTCの対ドル相場は、足元、月初の急騰から一転し様子見ムードとなっているが、30日移動平均線が200日移動平均線上抜け目前となっていることに注目したい(第2図)。30日線が最後に200日線でゴールデンクロスを示現したのは、2015年10月22日と実に3年半ほど前のことだったが、これを皮切りに相場は長期上昇トレンド突入とし、2017年12月までそのトレンドは続いた。

【第2図:BTC対ドルチャート】

出所:coinamrketcapより作成

2015年には、7月に一度30日線が200日線を上抜いた後に相場が反落し、同年9月にはデッドクロスを示現した。しかしその後、相場は持ち直し10月には再び30日線が200日線でゴールデンクロスを示現し相場は上昇トレンド突入とした(第3図)。

2015年に30日線が200日線で最初にゴールデンクロスを示現した際、相場の30日線からの乖離率は21%まで広がっていた。足元の相場も、10日に30日線からの乖離率が22%まで広がった後に上値を重くしており、2015年のリバーサルの展開を考慮すると、明確な上昇トレンド突入の前に相場が一度押す可能性が指摘される。

【第3図:BTC対ドルチャート】

出所:coinamrketcapより作成

しかし、足元の相場は2015年との相違点もいくつかある。まずは、相場が底を形成する時間だ。2015年の相場は年初から同年11月頃まで概ね横ばい相場となっていたが、足元の相場はおよそ3ヶ月半の底値圏での推移となっており、2015年と比較してトレンド突入に向けた準備期間が短い。また、2015年の上昇相場突入前には、180日物のヒストリカル・ボラティリティ(HV)が45%付近まで低下していたのに対し、足元では65%〜67%での推移となっており、以前と比較して高い水準である。昨年11月に相場が6500ドル周辺で揉み合いとなっていた際は、180日物のHVが50%付近まで低下していたが、結果的に相場はさらに安値を広げる展開となったため、HVの最低値付近までの低下もしくは最低値更新までは注意を要するだろう。

以上を考慮すると、相場は上昇トレンド突入の可能性を残しつつも、中期的にレンジ相場での準備期間が必要ではないかと予想する。およそ3年半ぶりに30日線が200日線上抜けに成功すれば短期的なリスクオンを誘発しても、5500〜6000ドル周辺がレンジの上限となるだろう。レンジ下限は、3月まで相場のレジスタンスとなっていた4200ドルが意識される。

BTC対ドル相場は5000ドルを維持できれば今週16日にも30日線が200日線でゴールデンクロスを示現する。


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引用元: ビットコインニュース

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