コンスタンティノープルテストネットブロック決定とProgPoWの進行

イーサリアムは年末にコンスタンティノープルフォークを控え、前回のコアデベロッパー会議で決まっていた10月9日のテストネット”ロプステン”のハードフォークを今回の会議で決定しました。本稿では、イーサリアムの大型アップデートに関する最新情報について記述します。

 

 

1.メジャークライアントのコンスタンティノープルテスト準備完了

イーサリアムのメジャークライアントであるGeth、Parity、cpp-ethereum(aleth)、ethereumJは全てのEIP実装を終え、新規クライアントのMana、Nethermindも同様に実装を終えているため、予定通りとなっています。7割のクライアントが実装を終えたことで、テストネットのロプステンをハードフォークし、コンスタンティノープルの実装テストへ移行します。

今回の会議で10月9日にフォークするために、ブロックナンバーを#4,200,000と決定。ただし、ハッシュレートにより安定しているメインネットと違い、テストネットはブロック時間平均が安定していないため、実際には前後すると考えられます。

また会議ではGethの新バージョンを2週間以内にリリース予定です。

 

出典:https://github.com/ethereum/pm/issues/53

 

スポンサーリンク


(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

 

2.EIP-1108

今回の会議では、既に実装されている5つのEIPとは別に、OPCODEの0x06 ECADDと0x07のECMUL、0x08のペアリングチェックのガスコストを減少するEIP-1108について話合われました。

実装事態は賛成であり、このようなコスト削減はハードフォークが必要となる一方、デベロッパーは安全な実装を子なうための「テストが最もと重要である」とし、

 

「例え小さな変更であっても、大きなプレッシャーとなる。今回の場合は次のフォーク(イスタンブール)で行うほうが良い」

 

との意見があり、現状のタイムスケジュールからもテスト1つで2~3ヶ月を有するため、次回のフォークへと追加されると見られます。

 

3.ProgPoWの実装

今回の会議では再度ProgPoWについて話合われています。コアデベロッパーはSharding+Casperのeth2.0に開発の重点を置いており、ProgPoWの導入にはあまり積極的ではありません。

 

3-1.イーサリアムがProgPoWを必要とする理由

イーサリアムは現在、Dagger-hasimotoの改良版となるEthashをマイニングのアルゴリズムに使用しています。ですが、EIP-186に計画される今後のマイニング報酬の減少、つまりここでいうEIP-1234からBitmainのASIC Antminer E3による中央集権化や、BitmainのイーサリアムASICマイニングによる中央集権化問題が存在します。

実際に、収益のマイナス化により電気代の高い地域からマイナーが撤退しており、PoWで最も重要なハッシュレートパワーと分散という面において、Casper移行までにセキュリティ低下が考えられます。そのため、対策となるEIP-1057 ProgPoWが提案されており、マイナー間で盛んに議論されています。

 

スポンサーリンク


(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

 

3-2.EIP-1057 ASIC対策の実装

今回の会議では、ProgPowを開発するifdefelseからMiss. IfとMr. Defをゲストとしてリサーチ情報を共有しています。

CPU検証でスローダウンするバグの修正などのマイナーアップデートとGethとcpp-ethereum(以下C++とする)への実装の完了を報告し、現在のコアデベロッパーの興味が得られないことから、優先すべきではないと述べています。

対して、C++のデベロッパーは実装は十分ではないとしており、ヘッダー検証に1秒以上を有するなど多くの問題を抱えていると述べています。また、現在のEthashとProgPowを置き換えのみであるため、両アルゴリズムを維持する必要性も主張しています。

ifdefelseによると、原時点ではGethとC++のフォークに実装のみで、プルリクエストは一切行っていない状態であるため、ifdefelseのリポジトリ内に開発はとどまっているとしています。

 

レポジトリ:https://github.com/ifdefelse?tab=repositories

 

4.結論と考察

これらをまとめると、ProgPoW実装には長期のテストが必要であり、コンスタンティノープルは既に5つのEIPで決定しているため、次のコンスタンティノープルの8ヶ月となるイスタンブールフォーク以降での実装となることになります。

マイナーが急ぐ理由としては、EIP-1234からの収益低下による問題からマイニング効率のいいASICを排除したいという目的があるわけですが、デベロッパーはコンスタンティノープルとDEVCON4、eth2.0やそれに準ずるEwasmなども手が避けない状態であるため、マイナーが望むよりさらに長期間かかると予測されます。

また次回はDEVCON4前となるため、今回よりさらに簡易な内容になると予測されます。

 

前回の会議はこちら

イーサリアム 10月9日にテストネットのコンスタンティノープルフォークを予定

 

コアデベロッパー会議47 https://www.youtube.com/watch?v=z2mefVnZHpw

The post コンスタンティノープルテストネットブロック決定とProgPoWの進行 appeared first on イーサリアム・ジャパン.

引用元: イーサリアム・ジャパン

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。